★ワ22000中期型/.後期型についての仔細解説。
鉄道省/国鉄ワ22000は昭和5(1930)から昭和15年(1940)にかけて大量6386輌製造された10t積有蓋車です。大正期のワム1、3500に始まる木製15t積有蓋車が鉄製有蓋車と云えるワム20000を経て昭和4年の二重羽目構造を取り入れた鋼製有蓋車ワム21000へ発展します。しかし折しも始まった世界恐慌によりワム21000は1000輌で製造中止となり代わりに昭和5年から製造されたのがワム21000をそのまま小さくした形の10t積有蓋車ワ22000の初期車グループです。当店ではアートホビーズと組んでの貨車シリーズの第一弾としてワ22000初期型を2012年に発売、新次元の貨車のモデルとして大変ご好評を頂きました。
●ワ22000 初期型 ワ22000~25002(3003輌) 昭和 5~11年製造
そして今回は貴重な仔細図面を入手出来た事によりこれまでまともに製品化されたことの無いワ22000中期、後期型を製作する事と致しました。製造数は中期、後期合わせて3383輌と大きなグループを成しており機会が有れば是非共手掛けて見たかった車輌です。このグループは積載量、軸距離等は初期型と同じながらワム21000の小型と云える初期型に対して製法、構造等全く異なるものとなっています。
●ワ22000 中期型 ワ25003~27752(2750輌) 昭和11~13年製造(上の写真はTYPE1)
●ワ22000 後期型 ワ27753~28385(633輌) 昭和14~15年製造
中期型は下廻りフレームの構造、組み立てに同時期製造のト20000の製法を取り入れ溶接を多用。後期型では久々の15t積有蓋車ワム23000同様車体にも溶接を多用、妻面ベンチレータ、扉の横補強も外側に移設したのでワム23000/90000同様の形態となっています。又単軸台車の形状は中期型と後期型では形状が異なりますがしっかりと作り分け致しております。なお、文献では一切触れられていませんが当店で詳しく調べたところどういう訳か下廻りKD形のブレーキシリンダーとエアタンクの取り位置が前期、中期型と後期型では反対方向に取り付けられています。当店で製品化済の軸距離を長くとった戦後製造のワ12000との対比も興味深いものが有ります。
中期型と後期型では下回りのケーディ型ブレーキシリンダーとエアタンクの取付位置が逆になっています。
戦後製造された10t積有蓋車ワ12000。軸距離が延長されている。
それではワ22000中期型7タイプとワ22000後期型5タイプを模型化図面を使って解説いたします。
ワ22000中期型
TYPE1 ワ25288、弘南鉄道 ワ21
ワ22000中期型でも初期に製造されたタイプ。中期型の特徴として足踏みブレーキ側床下に初期型と同じくKCブレーキのエアタンクが取り付けられている。単軸台車下部は絞られた形状、妻板の通風機はワム21000と同形。
因みに弘南鉄道ワ21はダルマさんとして現存。
TYPE1A ワ25908、26377(道外持ち出し禁止黄色帯)
下廻り側枠の受けが溶接となりリベットが消えて長方形となっている。26377は道外持ち出し禁止の黄色帯が入る。
TYPE1A-1 ワ26716 昭和12年 川埼製。
1Aと比べ側ドアの溶接ライン位置が若干低い。
TYPE1B ワ26469 昭和12年10月 汽車会社製。
側板溶接ラインが縦に入るのが特徴。側枠受けにリベットが入る。
TYPE1C ワ26774 昭和12年 小倉工場製
このグループは全溶接試作車26772~26781に該当する。
TYPE1D ワ26785 昭和年12年 西鹿児島工場製
側板の溶接ライン位置が若干低い。
TYPE1E ワ27136 昭和13年製
側板、側ドア共に溶接ラインが無い。
ワ22000後期型
TYPE2A ワ28281
後期型の特徴として側ドアの補強リブが表側に付く。足踏みブレーキ側にKCブレーキのブレーキシリンダーが付く。単軸台車は下部の絞りが無くなり直線状になる。妻板の通風機はワム23000と同じものとなる。2Aは溶接ラインが無い。
TYPE2B ワ28063
側ドアに溶接ラインが入る。
TYPE2C ワ28341
側板、側ドアに一直線に溶接ラインが入る。妻板にも溶接ラインが入る。
TYPE2D ワ28142
側ドアの溶接ラインが下がった位置に入る。妻板は2Cと同じ位置。
TYPE2E 鹿島参宮鐡道鉾田線 ワ15
燐寸箱客車と組んでのミキストトレインに。
ワ22000中期型 ワ22000後期型
左から初期型、中期型、後期型の並び。ワ22000は総数6386輌と大量に製造されました。
ワ12000とワ22000後期型。こうして並べると大分印象が違うのが良く分かります。
鉄道省/国鉄ワ22000は昭和5(1930)から昭和15年(1940)にかけて大量6386輌製造された10t積有蓋車です。大正期のワム1、3500に始まる木製15t積有蓋車が鉄製有蓋車と云えるワム20000を経て昭和4年の二重羽目構造を取り入れた鋼製有蓋車ワム21000へ発展します。しかし折しも始まった世界恐慌によりワム21000は1000輌で製造中止となり代わりに昭和5年から製造されたのがワム21000をそのまま小さくした形の10t積有蓋車ワ22000の初期車グループです。当店ではアートホビーズと組んでの貨車シリーズの第一弾としてワ22000初期型を2012年に発売、新次元の貨車のモデルとして大変ご好評を頂きました。
●ワ22000 初期型 ワ22000~25002(3003輌) 昭和 5~11年製造
そして今回は貴重な仔細図面を入手出来た事によりこれまでまともに製品化されたことの無いワ22000中期、後期型を製作する事と致しました。製造数は中期、後期合わせて3383輌と大きなグループを成しており機会が有れば是非共手掛けて見たかった車輌です。このグループは積載量、軸距離等は初期型と同じながらワム21000の小型と云える初期型に対して製法、構造等全く異なるものとなっています。
●ワ22000 中期型 ワ25003~27752(2750輌) 昭和11~13年製造(上の写真はTYPE1)
●ワ22000 後期型 ワ27753~28385(633輌) 昭和14~15年製造
中期型は下廻りフレームの構造、組み立てに同時期製造のト20000の製法を取り入れ溶接を多用。後期型では久々の15t積有蓋車ワム23000同様車体にも溶接を多用、妻面ベンチレータ、扉の横補強も外側に移設したのでワム23000/90000同様の形態となっています。又単軸台車の形状は中期型と後期型では形状が異なりますがしっかりと作り分け致しております。なお、文献では一切触れられていませんが当店で詳しく調べたところどういう訳か下廻りKD形のブレーキシリンダーとエアタンクの取り位置が前期、中期型と後期型では反対方向に取り付けられています。当店で製品化済の軸距離を長くとった戦後製造のワ12000との対比も興味深いものが有ります。
中期型と後期型では下回りのケーディ型ブレーキシリンダーとエアタンクの取付位置が逆になっています。
戦後製造された10t積有蓋車ワ12000。軸距離が延長されている。
それではワ22000中期型7タイプとワ22000後期型5タイプを模型化図面を使って解説いたします。
ワ22000中期型
TYPE1 ワ25288、弘南鉄道 ワ21
ワ22000中期型でも初期に製造されたタイプ。中期型の特徴として足踏みブレーキ側床下に初期型と同じくKCブレーキのエアタンクが取り付けられている。単軸台車下部は絞られた形状、妻板の通風機はワム21000と同形。
因みに弘南鉄道ワ21はダルマさんとして現存。
TYPE1A ワ25908、26377(道外持ち出し禁止黄色帯)
下廻り側枠の受けが溶接となりリベットが消えて長方形となっている。26377は道外持ち出し禁止の黄色帯が入る。
TYPE1A-1 ワ26716 昭和12年 川埼製。
1Aと比べ側ドアの溶接ライン位置が若干低い。
TYPE1B ワ26469 昭和12年10月 汽車会社製。
側板溶接ラインが縦に入るのが特徴。側枠受けにリベットが入る。
TYPE1C ワ26774 昭和12年 小倉工場製
このグループは全溶接試作車26772~26781に該当する。
TYPE1D ワ26785 昭和年12年 西鹿児島工場製
側板の溶接ライン位置が若干低い。
TYPE1E ワ27136 昭和13年製
側板、側ドア共に溶接ラインが無い。
ワ22000後期型
TYPE2A ワ28281
後期型の特徴として側ドアの補強リブが表側に付く。足踏みブレーキ側にKCブレーキのブレーキシリンダーが付く。単軸台車は下部の絞りが無くなり直線状になる。妻板の通風機はワム23000と同じものとなる。2Aは溶接ラインが無い。
TYPE2B ワ28063
側ドアに溶接ラインが入る。
TYPE2C ワ28341
側板、側ドアに一直線に溶接ラインが入る。妻板にも溶接ラインが入る。
TYPE2D ワ28142
側ドアの溶接ラインが下がった位置に入る。妻板は2Cと同じ位置。
TYPE2E 鹿島参宮鐡道鉾田線 ワ15
燐寸箱客車と組んでのミキストトレインに。
ワ22000中期型 ワ22000後期型
左から初期型、中期型、後期型の並び。ワ22000は総数6386輌と大量に製造されました。
ワ12000とワ22000後期型。こうして並べると大分印象が違うのが良く分かります。