EF64 再生産リスト(最新)

 前回生産分と合わせEF64 0番台の全てのバリエイション展開を行う事になります。又、一部を除いて前回生産分と号機ナンバーが重複しないように致しました。各タイプ各号機共細部に至るまで徹底した調査プロデュースをおこない再現致します。但し生産数が少ないので店頭売りのみのタイプが含まれます。
今回50以上となるナンバーを製作、前回生産分と合わせるとEF64 0番台79輌のうち70以上のナンバーを製作する事になります。これらの各号機、各時代によるディテールの変化まで克明に再現致します。前回作り分けた前期型、後期型の空転検知の違いによる台車軸受けの作り分けやATS-Ps、ATS-Pの軸受け発電機のディテールは基より鷹取工場でのエプロンのフック位置変更、又フックの長短、37号機以降のエプロンブラケット追加、ドア鎖錠装置改造など枚挙にいとまが有りません。JR東日本所属車は36,37,38,39,41,42と全てを網羅。JR東海ではユーロライナー35,66号機の細部塗り分けの違いに加え2号機の最終全検時のピカピカの姿も再現。JR貨物では塩尻、愛知両機関区所属車でそれぞれ原色、2色更新色、3色更新と各号機の差異まで更に細かく再現致しましたので実機同様の様々な重連仕様が再現可能です。ムサシノモデルではこれでEF64に対して完全燃焼と云うことで最後の生産となります。ご予約は終了致しましたが全タイプでは有りませんが余分に1~2輌製作しておりますので当店までお問い合わせください。

国鉄時代
1★Type0A 先行試作車(1,2)   昭和39年製 EG付   登場時、福島時代(防護柵付)
試作1,2号機は以降の量産機の隅柱R2.0に対してR2.5と少し丸みを帯びています。前回製品同様に正確に作り分けを致します。更に1号機の取り付け位置の低い正面ツララ切も再現。銀パンシュー式、LA15A
2★Type0B  先行試作車(1,2)   1,2号機 稲沢時代 1981年モニター屋根排風口改造後 
 1号機は稲沢機関区より1984年2月八王子機関区へ移籍、翌年3月まで青梅線、中央線で使用されました。PPで区名札「八」添付。1985年岡山転属、伯備線で活躍。2号機は1982年岡山転属。屋根塗色青。PPで区名札「八」「岡」添付。
 
3〇Type1a 1次型(3~12)昭和40年製 EG付 福島時代(防護柵付)5,7,9,10号機
 奥羽本線板谷峠越え用として1965年、EF16に代わって福島機関区に新製配置。1968年の福島~山形間の交流電化までの間使用されている。豪雪地帯故に前面窓に防護柵プロテクターを装備。銀パンシュー式。排熱モニター屋根グレー。LA15A-1。なお試作1,2号機の前面の角柱Rは1/80換算でR2.5となりEF60,EF65 0/500番台車と同じ。3号機からR2.0となりEF65 1000番台の前面はEF64量産機を踏襲している。。
4〇Type2a  2次型(13~28)昭和41年製 EG無し 甲府時代(防護柵付)13,19,26.28号機
  甲府機関区に新製配置された登場時~1972年頃までの姿。防護柵プロテクターを装備。銀パンシュー式。排熱モニター屋根グレー。ED61,EF13や身延線のEF10,特にED17とのツーショット等甲府機関区が多くの電気機関車で賑やかだった時代。
5〇Type2a-2a 2次型(13~28)昭和41年製 EG無し(防護柵無し)13,16.18号機 
大宮工場では1979年頃より全検時屋上を黒塗装化している。13~18号機は1982年立川、立川機関区へ移籍、青梅線等で使用。その後機関区統廃合により八王子と転属。南武、青梅線で使用されている。PPで「立」「八」添付。
6〇Type2a-2b 2次型 (13~28) 昭和41年製 EG無し 八王子時代(防護柵無し)24号機
 24号機は1984年度の全検時に大宮工場で運転席側ドア鎖錠装置及びモニター明り取り窓金属抑え化改造が施されている。屋上黒塗装。1986年篠ノ井転属。
7〇Type4a  4次型(31~36)昭和45年製 EG付  甲府時代 31.32,35号機
  登場時から1970年代中頃までの時代設定。銀パンシュー式パンタ。
8〇Type5a  5次型(37~43)昭和46年製 EG付   甲府時代39.40,43号機
 1970年代中頃以降の時代設定。グレーホーンタイプパンタ。
9★Type5d  5次型 (37~43) 昭和46年製 EG付   長岡時代38.39号機
 1979,7,11長岡~1982,11,8甲府、上越線での雪害対策として屋上放熱モニター上部にネット取り付け。屋上黒塗化
10〇Type7a  7次型(46~55)昭和48年製 EG付  篠ノ井時代46,51.55号機
11★Type7c  7次型(56~75)昭和48年製 EG無し 長岡時代~、74.75号機
 1979.7.11長岡~1982.11.8甲府、上越線での雪害対策として屋上放熱モニター上部にネット取り付け。屋上黒塗色。
12★Type8a  8次型(76,77) 昭和51年製 EG無し 甲府~八王子時代76、77号機、 屋上黒塗装化
13〇Type8b  77号機お召し仕様  1986年10月お召し列車牽引時の姿。
14〇Type9a  9次型(78,79)昭和51年製 EG無し 甲府~-立川、八王子時代、屋根黒塗装
 
JR化後
●JR東日本   
15★Type4a-1 JR東日本 36号機 高 乗務員扉鎖錠装置改造、黒Hゴム仕様
JR東、高崎車両センター37,38,39,1001の僚機。2011年4月廃車。
16〇Type5b-1  JR東日本 37号機   ブドウ色2号スカートステップ外付け改造後タイプ。
2009年3月16日から2010年3月7日までの1年間EF64 37及び38号機は高崎から長岡所属となり特急あけぼのを牽引、短い期間では有りましたが一躍脚光を浴びました。この活躍の後半に当たる2009年11月、上越の雪に備えるためスカートのステップを外付けタイプへと変更、EF64 1000番台と同じ上部の返しの大きいタイプのスノープロウに交換、床下の元空気ダメ配管にヒーターとカバーが付けられています。2011年9月の全検時、モニター屋根上部にはランボード、パンタ取り外し屋根と同じグレイのローンテック仕上げが行われています。
17★Type5b-2  JR東日本 37号機   青15号、クリームの現行塗装タイプ。外付けステップ。
2019年2月の全検はEF64 0番台最後の全検となった。塗装はブドウ色2号から原色の青/クリームに戻されている。屋上のローンテック仕上げの色調はモニター屋根上部を含め明るいグレイに変更されている。残念ながら2021年11月高崎より土崎に送られEF64 0番台車の長い歴史にピリオドが打たれた。
18★Type5c    JR東日本 38号機   長岡 あけぼの牽引。スカートステップ外付け改造後。
19★Type5e    JR東日本 39号機  黒Hゴム、39号機末期の姿を再現致します。安全柵取り付け金具付き。
20〇Type5f    JR東日本 41号機 2006,5塗装変更  団臨に活躍したブドウ色2号塗色時代を再現。2008.7廃車。
21★Type5g  JR東日本42号機 41号機と共にJR東長野総所属機で団臨等に活躍。2007.3.8廃車
 
●JR東海
22★Type0T   JR東海2号機   台車及び下廻りグレー塗装。2007年4月最終全検時の
姿。ボックス車輪。最終全検時のピカピカ塗装を再現。
23〇Type4T   JR東海 35号機     ユーロライナー色、黒Hゴム 小オレンジJRマーク
1990.10浜松工場で塗装変更。1999.10の全検で下廻りグレー、黒Hゴム、小オレンジJRマークに変更される。正面ツララ切端面青。
24〇Type7T    JR東海 66号機     ユーロライナー色、グレーHゴム 白JRマーク
 国鉄時代の1985.7鷹取工場で塗装変更。JR化後の1989.12の全検時の姿を再現。
25★Type7T-1  JR東海66号機   ユーロライナー色、黒Hゴム、小オレンジJRマーク
  1997.11の浜松工場全検後の最終スタイル。正面ツララ切端面ライトグレー。
26★Type7T-2 国鉄66号機 稲沢機関区   ユーロライナー色、グレーHゴム  
 国鉄時代の1985.7ユーロライナー客車に合わせて鷹取工場で塗装変更登場時の姿を再現。全検表記57-9鷹取工、ATS7‘S’マーク。正面ツララ切端面青。
 
●JR貨物
2004年4月1日篠ノ井総合鉄道部(篠)は塩尻機関区(塩)新設により区名札が「篠」から「塩」に変更されている。「塩」PPパーツの添付により篠から塩への変更が可能です。尚、1996年から始まった更新工事では広島での57,67号機を除き大宮車両所出場機は全て3色更新色での登場です。
 (原色機)
27★Type1d   JR貨物 原色4号機 塩尻/愛知機関区。以下一体圧延車輪。
28〇Type2b-1   JR貨物 原色18号機 篠ノ井機関区。
黒Hゴム。無線アンテナ位置外より。
29★Type2b-2 JR貨物 原色20号機 塩尻機関区、PP「篠」。
 最後までグレーHゴムで人気が4有ったカマ。
30〇Type2b-3 JR貨物 原色 15号機 愛知機関区、22号機 篠ノ井機関区。PP「塩」「篠」1,2 
31〇Type4b   JR貨物 原色30号機 愛知機関区、Hゴム グレー、但し側明り取り窓黒Hゴム。

32〇Type4b-1  JR貨物 原色31号機 愛知機関区、Hゴム グレー、但しモニターと貫通ドアは黒Hゴム。

33〇Type6a    JR貨物 原色45号機 塩尻機関区、
34〇Type7j    JR貨物 原色46号機 塩尻機関区、 PS22Bパンタグラフ、正面窓のみグレーHゴム、他の窓は黒Hゴム。 
35〇Type7g    JR貨物 原色54.55号機 塩尻機関区。
36〇Type7i    JR貨物 原色58号機 塩尻機関区 元お召し機。PS22Bパンタグラフ
  (3色更新機)
37〇Type7d-1a  JR貨物 3色更新色 47号機 篠ノ井機関区、EG付
38〇Type7d-1b  JR貨物 3色更新機 60号機 篠ノ井機関区
39〇Type7d-2   JR貨物 3色更新色 50号機 篠ノ井機関区、EG灯撤去
40〇Type7d-3   JR貨物 3色更新色 79号機 愛知機関区,
 (2色更新機)
41〇Type5g    JR貨物 2色更新色 43号機 愛知機関区
42〇Type7e-1  JR貨物 2色更新色 63.68.70号機 愛知機関区
43〇Type7e-2  JR貨物 2色更新色 49.64 塩尻機関区 64は塩尻区のさよなら号機。

44★Type7e-3  JR貨物 2色更新色 74,75号機 愛知機関区。放熱モニター上部メッシュ有り。
45〇Type8d-1  JR貨物 2色更新色 76号機 愛知機関区
46★Type8d-2  JR貨物 2色更新機 77号機 愛知機関区 非公式側1枚のみFRベンチレー        ター
47★Type7h   JR貨物 57号機    広島2色更新色、ベンチレータが青で側面の塗り分けがジグザグとなっている。運転室内色は ライトブラウン。
48〇Type7f  JR貨物67号機   広島2色更新色。57号機と同じ塗色に変更後の後2002年 大宮工場で標準広島更新色に再度変更された。
 
49★Type7f-1  JR貨物67号機     広島2色更新色。広島工場での更新時に57号機と同じくベンチレータが青で側面の塗り分けがジグザグとされた。運転室内ライトブラウン。
50★Type8c    JR貨物77号機     お召し列車牽引後車体側面の白帯をクリームに変えて JR化後も使用されていた1998年の更新前までの姿を製品化。急行ちくま等牽引、正面ナンバーは赤、ボックス車輪。
 
★印は店頭販売品です。また価格等は未定です。
 
EF64の生産は今回で終了と致します。EF64と云うともう大昔の事、カツミさんの入門セットの大きな箱に印刷されたEF64の大写しの真正面からの写真がこの機関車との出会いでした。家に有った誠文堂新光社のスタイルブックにはロクヨンは載っていなかったというだけの事でしたが随分と角張った顔付きの機関車だな~が第一印象でした。模型の世界ではまず、しなのマイクロのオデコに角材を半田付けして削って仕上げるというしなの黎明期のあえて言えば「素材キット」が有りました。これに皆つぼみ堂さんのEF65のお面を何とかくっ付けてそこで息絶えるという(うちの親父さん)感じでカツミさんのEF70用の台車で仕上げまで持ち込めた人はどの位いたのでしょうか。まあ当時はああだこうだと思案するのが楽しみだった時代ですが親父さんがいろいろ工夫して独特の形状のモニタールーフを組み立てているのを横で見ていたその情景が頭に浮かびます。ひかりさんのキットはさんごさんと同様に模型社繋がりなのでしょうか、箱のラベルにEF64のシルエットが入った酒落デザインに比護さんの模型に対する愛情が垣間見られます。ちゃんと組み立てられるしっかりとしたキットでした。完成品はやはりカツミさんで質実剛健なガンガン走らせて楽しむ模型でした。しなのマイクロではその後トータル(コンプリートが本当)キットが発売になり(今度はうちの親父さん塗装にまで持ち込み無事完成)その完成品も発売になりましたが塗装の感じが原因なのかいまいちパットしなかった印象が有ります。1970年代はまだのんびりとした良い時代でした。
1980年代に入り登場した天賞堂さんのEF64は超高級品で塗装の質感や芸術的なパンタグラフのホーンのカーブの曲げ具合の美しさ等本当にため息が出ました。2000年代に入るとカツミさんから素晴らしいキットが発売になりこれを腕に覚えが有る人が組み立てると完璧な見事なロクヨンが完成します。そして今はEF64もインジェクションモデルで色々と楽しめる時代となりましたが実機の方はJR東日本の37号機がいよいよ最後の時を迎えようとしています。当店ではこの機会にEF64と云う機関車を模型の上で総括する事に致しました。
 
国鉄の新性能直流電気機関車を製作する上で何時も頭を悩ませる事にパンタグラフのシュー式からホーン式への変更時期と銀塗装からグレー塗装への変更時期が挙げられます。1971年製造の4次車36号機新製後直ぐの写真はシュー式です。同じグループの35号機1974年の写真でも銀パンシュー式です。パンタグラフのシューは消耗品故の交換部品です。当店の様に細かく詳しく再現して行く場合は考証にえらく時間がかかります。又ホーン式だからグレー塗装と云うのも当てはまりません。5次車はホーンタイプ基部が黒、枠が銀で登場しています。大体1977年頃までは銀塗装のパンタグラフが見られます。又工場では検査時に片方がシュータイプもう一方がホーンタイプに取り換えるケースが有ります。勿論製品ではそのような事にはなりませんが以前制作したEF57では一つのパンタで二つある船の片方だけをシュー式からホーンに取り換えものを忠実に再現しています。1975年を境に機関車や貨車も含め懐かしい古い車輌の多くが消え去っています。国鉄時代、パンタグラフの形態からの時代考証も面白いものです。


全ての写真提供は 柴山勝氏