ムサシノモデル 究極のロクゴー、EF65 落穂拾い説明その1
JR西日本のEF65 1128,1132,1133,1135の詳細説明

JR西日本商品化許諾済
 
EF65を製品化する。当店の様な小さな街の模型屋さんには分不相応な大それた試みでコケた時の怖しさと云ったら言葉にも出来ません。まあ人生一度キリ、どうゆう訳かそういうポジションにいる事になってしまっているのでやれる処までやってみようとアマチュアのオリンピック精神で何時もの様に淡々とプロジェクトは始められました。しかし始まって見ればメーカーのATM共々その時々での最善を尽くしお客様に奉仕していこうというプロ根性の塊と化します。しかし掘っても掘っても掘り足りない奥深さが有るロクゴーです。
 
何度かお客様から“お休みの日には気に入った模型を眺めたりするのですか”とか“走行列車の撮影に出かけたりするのですか”と質問されたことが有ります。何時もの答えは、「四六時中製品をどう作るか、メーカーとのやり取り、新たな疑問を調べ如何に製品にそのデータを取り込んで行くか、お金の心配と、休みは基本的に無いのですが時間が有っても気休めに模型を眺めることは致しませんと」。企画した製品を冷静に見られる様になるには10年以上の時が必要です。模型を眺めていても緊張してしまうのです。列車の撮影には一度も行ったことは無いです。日曜祭日は仕事をしている訳で自営業者は大体休みは有りません。そして列車撮影に行くよりまず温泉です。そして温泉につかりながらふと気が付くとあそこをどうしよう、ここはどうしようと結局模型製作の事を考えていると、そんな人生です。写真撮影は実機の製品化の為の取材の時だけです。ピットに入って、屋上に上がって、運転室に入って、ここはどうしようあそこはどう表現しよう考えながらの取材になります。ですから楽しみではなく緊張感の中での撮影採寸となり各鉄道会社の取材時における対人関係にも非常に気を遣うことになります。ただ好きなだけでは出来ない仕事です。それでは長い前置きはこの辺にいたしまして・・・・。
 
ATMメンバーとは2年以上顔を合わせることが出来ていない関係でEF81の時もそうでしたがEF65でも今までの模型界の常識をはるかに超えるバージョン展開を行っている関係で間違いが無いかかなり慎重に仕事を進めています。発売が遅れている大きな原因の一つになっていますが先日EF65青/クリームタイプ各バージョンが確認の為各1輌ATMより送られてきました。当店での修正事項により修正も完了し最終組み立ての追い込みに入っています。発売は予定より遅れてしまいましたが4月中旬になりました。
 
 
PF7Wa JR西日本 EF65 1128,1135号機
PF7Wb JR西日本 EF65 1132,1133号機
aとbに分けた理由は列車無線アンテナの取付位置の違いによります。又1133号機2エンドの胴受形状のみ形態が異なります。今回紹介の1132号機には本来1133号機2エンドに付く部品が取り付けられていますがご了承下さい。かなり複雑でややっこしい仕事をしてもらっています。本製品では全て修正されますので問題ございません。
 
以前1度製作しているJR西日本のEF65のPアンテナ装備車を冷風装置取り付け後の最新スタイルで製作致しました。

EF65 1119~1135号機の特徴として台車オイルダンパーの向きが欠損時外側に倒れないよう90度取付方向を変えています。砂撒き管ヒーターも取り付けられていません。JR西日本仕様では当然一体圧延車輪化されています。又特記事項として文献等には一切の記載はありませんが各台車に取り付けられた空転検知発電機の形状が国鉄時代(JR東、JR貨物も含む)と異なり部品が交換されています。究極のEF65モデルたる所以です。

1118号機以前のオイルダンパーの取付向き、空転検知発電機の形状を示します。



因みに上の写真1089号機は広島で更新された際に砂撒き管ヒーターは撤去されています。

今回は運転室に冷風装置が取り付けられた姿を完全に再現致しました。運転室内の冷風装置本体も再現しています。







左1135号機、右1132号機。この写真の1132号機には本来1133号機2エンドに付くべき胴受が間違って取り付けられています。本製品では訂正されます。

1119号機以降のもう一か所のディテールの違いがあります。フロントステップが格子状に変更されています。

列車無線アンテナの取付位置が異なります。

JR西日本の10輌のEF65は正面貫通ドア全体がクリーム色に塗られていますが唯一1135号機は国鉄時代のオリジナル通りドア上部に車体塗分けラインに沿って青が入ります。実機ではテールライトがLED化され非点灯時は赤く見えません。製品では1.5Ⅴ球を赤く塗装する事で点灯時赤く見えるようにします。

本製品では運転室窓下にウィンドウウォッシャーが追加で取り付けられます(汗)。

全検標記は各号機毎に現在のデータを表します。上の写真は1132号機。

上の写真は1135号機。バーコードまで再現しています。



分かりずらいですが運転室内には冷風装置もちゃんと再現されています。



右、JR貨物新鶴見区の2074号機。砂撒き管ヒーターの有無がよく分かります。

1135号機。

2074号機。

1119号機以前と以降のフロントスカートステップの形状の違い作り分けが良く分かります。

当店のEF65は一つタイプを取ってもこの有様。こんなアホバカな事に付き合ってくれるATMメンバーには足を向けて寝られません。