ED17再生産と旧型輸入電気機関車 2017.9.27

国鉄ED17前回製品 身延線甲府機関区仕様

 
 ED17再生産と旧型輸入電気機関車 当店では現在製作中のOJ、ED19 1,2,3,4,6号機の余勢を駆って来年には5号機を加えての16番、ED19の全ナンバーとED53、EF51の製品化を目指しています。ED,EF級旧型電気機関車の製品化もサムヒュン問題が原因で暫く間が空きましたが今年念願のED12をATM社製造により更にグレードアップアップした形で発売致すことが出来ました。その様な状況のなか先日EF60のチェックでATM社を訪れた際EF65,DD51EF81,EF15,EF62とは別のラインを作りそこを使ってED17を製作したいとの提案がATM社サイドから有りました。これは当方としては願ってもないことです。今は亡きサムヒュンで親和時代の図面を基に8タイプの図面GODを一応完成していましたが今は全てのデータと共にATM社に移動しています。(この辺りの顛末はいずれ詳しく記すとして)これらの図面を更に新しく入手出来た資料での再検討、変更を行いもう一度一からプロデュースを仕直す事として依り万全を期す事に致しました。私達にとりましてED17を製品化することは鉄道模型との付き合いの原点を思い起こす事に他なりません。そしてED17の写真、資料に向き合ってみて改めてこの機関車に魅了されています。  前回とは云っても、もう16年も昔のことですが(発売は14年前)当時も相当な苦労をしてED17と戦っています。今もその時のやり取りの膨大な量の資料が残っています。当時すでにED51,EF50,ED13とデッカー製の機関車をプロデュース発売していましたが、やはりED50,52改造のED17となると思い入れが強い分より慎重に、より神経質に仕事を進めていました。しかし今回は基礎的な寸法等の問題はほぼ解決していることから前回では出来なかったバリエーション展開をおこないED17最後の製品化にチァレンジして行きたいと思います。


ED50東海道線時代

ED52 1,2号機 中央線八王子時代

今回製作するED17は最も代表的な元形式ED50,ED52から改造の車輌です。ED50 1~17号機は1931昭和6年中央線甲府電化で東海道線国府津庫よりギャー比を大きくしED17へと改番、勾配線区である中央線甲府庫に転属、重連仕様で貨物列車牽引に当たり以後昭和30年代半ばまで中央線で活躍。なお16,17号機は1954~5昭和29~30に台車をA1Aに改造、2代目ED18 2,1に再改番、ED18 2号機は保存され有名な存在です。ED52 1~6号機は少し複雑でED50と同じ頃3~6号機がギャー比を改造、ED18 3~6号機となり八王子庫へ転属、飯田橋~八王子間中央線平坦区間の貨物用に使用。そして戦後昭和25年電気品の交換によりED18 4~6号機はED1719~21へと再改番されている。ED18 3号機はED17 18号機と成ることはなく1953昭和28年、番号はそのままに台車をA1Aに改造、ややこしいが2代目ED18-3号機を襲名している。この理由でED17 18号機は欠番となっている。ED52 1,2号機は同じく八王子庫、同じ区間で旅客用として使用されていたが1943昭和18年ギャー比改造の上ED17 22,23号機へと改番、しかし23号機は戦災により廃車となっている。 1960昭和30年代半ば以降中央本線ではED61,旧型F級機等の進出によりED17は身延線(甲府機関区)、飯田線(豊橋機関区)、横須賀線(久里浜支区)、仙山線(作並機関区)等のローカル線に散って余生を過ごす事になります。そして仙山線では1968年の交流電化により、他の路線でも1972~3年頃にかけて用途停止となっています。この50年に及ぶED17の歴史、物語を踏まえて前回製作したバージョンから展開を発展させてプロデュースを行ないました。もちろん晩年の活躍線区のものがメインとなります。大きく分けて以下の様になります。

(1) 身延線で活躍した甲府機関区所属機のバリエーション。 
A)大きな改造を行っていない原型車体のグループ,木製ドア、鉄製ドアの差異、車体のリベットの有無,台車への補強の有無等が有る。1号機、4号機、6号機等。 

B)車体側面ベンチレータを一段増やし四段ベンチレータとした2号機。 

C)運転室側ドアをつぶし大型の引き違い窓を設けたグループ。3号機、19号機、20号機等    

(2)飯田線南部で活躍した豊橋機関区所属機。  
この機関区所属のED17は同じく飯田線で活躍した3輌のED18同様に全面右隅に長く伸びた大きなステップとそれに対応した縦方向の手すり一つか二つを前面に取り付けているのが特徴。また他の線区では機械式のスピードメーターを電気式に改造している。10~15号機が有る。 

(3)鉄道省戦前タイプ四段ベンチレータ17号機 
ED17 2号機と17号機の2輌は戦前の早い段階で四段ベンチレータに改造されている。17号機は1955昭和30年に台車をA1AのHT62に交換の上ED18 1号機になっています。この17号機を改造以前、原型のEE、イングリッシュエレクトリック社製のパンタグラフを載せた戦前鉄道省ブドウ1号塗色で再現致します。 

(4)ED17が中央線で旅客列車を牽引、新宿駅まで来ていたそのスタイルを20号機で再現致します。20号機はED52が種車でその特徴はエンドビーム下端両エンドが切り欠いた形状になっていることです。塗色はブドウ1号。 

(5)ED17 22号機は1950年以降久里浜支区、八王子、国府津機関区を経て1965年ED14の後を襲い仙山線作並機関区へ移動、1968年の交流電化まで活躍した。この機関車は元形式ED52の特徴であるエンドビームのほか運転席側側面ドアの前方に有るステップ等そのまま残されている。 以上の中から次のプロトタイプを選びました。 

TYPE1a ED17 1号機 甲府機関区 ご存知の大宮保存機 
TYPE1b ED17 4号機 甲府機関区 
TYPE1c ED17 6号機 甲府機関区 
 TYPE1は原形車体のグループ、ドアのパターン,リベット、台車の補強の有無が有る。 

TYPE2  ED17 2号機 甲府機関区 四段ベンチレータ改造。 

TYPE3 ED17 3号機 甲府機関区 側面ドアをつぶし大型の引き違い窓をもうけた。 

TYPE4a ED17 12号機 豊橋機関区
TYPE4b ED17 15号機 豊橋機関区 
 TYPE4は飯田線南部で活躍した。12号機は台枠側面いっぱいに配管が設置されている他助手席 側側面に屋根に上る為の取り付けられたステップが特徴。15号機は標準的なスタイル。 

TYPE5 ED17 17号機 戦前甲府機関区 鉄道省、四段ベンチレータ、EEパンタ、ブドウ1号塗色 

TYPE6 ED17 20号機 八王子機関区 
 昭和30年代半ばまで新宿駅に客車を牽引して乗り入れていたスタイルを再現。塗色はブドウ1号。 20号機は甲府機関区へ移り大型引き戸窓改造をうけている。 

TYPE7 ED17 22号機 作並機関区 22号機は戦後、久里浜、八王子、国府津区を経て1965年    ED14の後を襲い仙山線作並機関区は移り1968年の交流電化まで活躍した。 唯一ED52の車体 の外観上の特徴を最後まで残していた。 

以上ED17を10ナンバー正確に作り分け致します。ご期待ください。 

 


ムサシノモデル、イングリッシュエレクトリック(EE)~デッカー・コレクション


ED13 改造後 国府津機関区


ED17 戦前中央線甲府機関区

戦前八王子機関区の情景 奥ED52,手前ED17

同じ八王子機関区少し離れた場所には八高線用8850がたむろしていました。



ED17 1号機 身延線甲府機関区

ED17 7号機 身延線甲府機関区

身延線甲府機関区の情景。

ED17 28号機(旧ED13 2号機)仙山線作並機関区


ED17 24号機(旧ED51 1号機)横須賀線久里浜支区

旧ED51は両側面で形態が異なる。


横須賀線ではこのような情景もありました。



ED18 1号機 飯田線伊那松島機関区(旧ED17 17号機)

ED18 2号機 飯田線伊那松島機関区(旧ED17 16号機)

飯田線伊那松島区のイメージ。来年にはED19 1~6号機が仲間に加わります。

 




EF50 陸の戦艦(言葉が古いです)。




Fin