模型メーカー訪問

3月後半に韓国へ行ってきました。折から各社での製作が佳境に入っており4月から6月に次々と製品が発売となる為、それらの製品の完成直前のチェックがメインの仕事になりました。今回は特に当店のメインメーカー(株)亜進精工社と三現(サムヒュン)Trainが会社の改編を行なった事も有り大変重要な仕事でした。各社進行状況をデジカメに納めてきましたのでご照覧下さい。



最初に訪れたのはサムヒュン・トレインです。
EF55の組立が最後の追い込みに入っており5月初旬に完成します。些細な問題点を5箇所修正する事となりましたが既に当ホームページ公開中の写真と比べても前面や後部デッキ、下回りエンドビーム等を中心に大幅にグレードアップが進んだ姿がお分かり頂けると思います。6月の発売が今から本当に楽しみです。




また9月発売のEF10/EF11も100%図面が完成していた事も有りサンプルモデルの製作に取り掛かっております。又EF57の設計の問題についての話し合いや更にEF15/16、EF56も早急に仕事を進行させる事で合意致しました。


サムヒュン社長のパク・スンモー氏。

EF10、EF-11のサンプル製作も進行中。




メンバーは全員20年以上のキャリアを持つ達人揃いです。

翌日の朝から光明市のアートホビー社にてC12の各タイプ別チェックを行いました。C56では450点のロストワックス・パーツ原型を作りましたがC12では何とその数550点となります。写真でもお分かりの通り真に眼光背視の如くです。社長のチェ・ジュウヒュン氏と天才的設計士チェ・ウジン氏の努力には凄みさえ感じます。各タイプの写真をご覧になって下さい。

社長のチェ・ジュウヒュン氏

天才設計士のチェ・ウジン氏

もう一つアートホビー社で進行中OJ貨車シリーズのワム60000も量産サンプルが完成。ワム70000と共通パーツが10%しか無い為、価格の上昇は避けられない模様です。車体形状は屋根(70000は角屋根、60000は丸屋根)。妻面の差異(巾も違うし70000はリベット表現多数)、ドアの大きさが全然違う。側面も違う。更に下廻りの共通パーツがブレーキシリンダー位しかない等々、彼らにしてみると目も当てられない状況です。図面も1形式の作図に40日も要した程です。


現在は既に6ケ月の期間を要する次回作OJ C57の設計が開始されております。ワム90000の作図予定はその後となりそうです。

チェ・ウジン氏 C57を設計中。



アートホビーメンバーも腕の立つベテラン揃い!
この事は以下のC12写真で十分ご理解頂ける事と存じます。


49号機



60号機



66号機


241号機



241号機

シリンダー前面、後面、側面とすべて形状が異なります。

コールバンカー背面。

コールバンカーを上より見る。

コールバンカー側面。水ハッチの形状が全て異なります。

49号機と241号機のキャブ内後面。
241号機のATSコントロールボックスは後面にはめ込まれた状態まで表現しています。


49号機と60号機のドロ溜め
60号機のドロ溜めのみ非公式側に取付られています。

66号機と241号機の泥溜め
4タイプとも泥溜めの形状が異なります。

サムヒュン・トレイン、アートホビー社メンバーは最近は休日返上で深夜近くまでの作業を続けており、本当に頭が下がる思いです。

3日目は亜進精工社の新しくなったソウル本社を訪問致しました。前回は引越し前日のお祓いに参加させてもらいましたが引越し後の訪問は初めてです。代表理事社長 趙 南 達 氏(当社の恩人中の恩人)への挨拶後トップマネージャーの趙 載 吉氏と製作中のDD51についてのディスカッションを女性設計者 李 京 仁さん(何と4月4日出産予定)も交えて行いました。DD51の遅れで100%部品が揃っているもののやはり発売が遅れているEF66も含めて今年の予定を決めてまいりました。12月発売予定のEH200までの間には都電8000も発売されます。又いよいよDD51 OJの企画をスタート。今年中にはサンプルモデルを完成させる事となりました。
大物としてはEH200に引き続きEF510、その後EF65の予定が入っており、これらは来年中の発売を目指して進める予定です。EF65はモデッロ・セッテのOJ第一弾モデルの製作に全面的バックアップを行なった経緯も有り、今度はいよいよ自分の番が廻って来たと云う思いです。

(株)亜進精工 代表理事の趙 南 達 氏と共に。

トップマネージャー 趙 載 吉氏

更に亜進精工社では DANA MODEL の趙 南業氏とスニ40、41、スユ44、マニ44の量産サンプルのチェックを行いました。写真でもお分かりのように既に完成された姿(近日発売予定に近日中に塗装済みサンプルの写真をアップします)で4月後半には船積み可能との事。DD51 842お召と共に量産品最終チェックの予定も決まりました。


DANA MODEL 趙 南業氏と共に。

 この日の夕刻にはもう一件 FM MODELを訪れました。全ての部品が揃い4月より量産組立に入るB6(3形式)の主要部品のチェックを行いました。写真の通りフレームの形状(全長まで異なる)や煙突の一つ取っても2120、2412、2500(三美新1号)とまったく異なります。発注した当人ですがここでも思わず恐れ入ってしまいました。

FM MODEL 社長 イー・スーイン氏

全て揃ったB6のロストワックス・キャスティングパーツ。

上より2120、2400、2500のフレーム。
ワイヤーカッターで切り抜いたものです。
ご覧の通り全て形状が異なります。

スタックも同様に全て形状が異なります。

4日目は東京に戻る日ですが午前中はアートホビーで午後はサムヒュン・トレインにてもう一度積み残した事柄の確認やスケジュールを良く詰めた上で仁川空港より帰路に着きました。帰宅は夜11時。ちなみに出発当日は4時半起床、5時半出発。かなりのハードワークでした。