ラインナップ No.6
 
国鉄 ED13(2タイプ)、ED17 28号機
只今発売中
原型(荒井文治氏、国府津にてED54、EF50とともに撮影)。正面運転席窓、大窓原型。側窓なし。ブレーキシリンダー台車内に設置。但し助手席側側面手スリ、ステップ増設後。昭和8年頃
改造後(西尾克三郎氏、国府津にて撮影のED13 2号機)。正面運転席窓、小窓化。側窓増設。ブレーキシリンダー台車外側移設。母線ジャンパー追加、砂箱交換他。昭和11年。
ED17-28 仙山線(誠文堂新光社、機関車ガイドブック)ホイッスルカバー、ヘッドライトひさし、スノウプロウ等装備の耐寒仕様。仙山線時代の1960年代中頃の姿を完全再現。

ED13 原型

 ED13 改造後

ED17 28号機

輸入電関、模型化最後の砦 ED13 遂に陥落!
このED13と云う機関車。とにかく資料が無く全長、全高、車体巾、軸距離しか解らない簡略な図が一枚のみ。最初は独特の深く丸みのある屋根R形状で悩み、次に前面の窓、ドアの大きさや位置、その廻りのエッチングパターン のバランスで悩み、側面のバンドの位置とベンチレーターの高さ、横の間隔、側面窓、ドアの大きさや位置で悩み、屋上モニターの形状で悩み、高圧引込線形状で悩み、更に細かく改造されていったどの時代を模型化するかで悩み とにかく第一稿GOD図面が仕上がったのが1999年10月。でもフィーリングが違います。全て一からやり直し。第二稿図面も微妙にバランスが違います。またまた一からやり直し。第三稿図面によるサンプルモデルが 完成したのが2000年5月。これがやはりED13の持つ重厚感を捉えそこなっておりノイローゼ気味。とれいん誌にサンプルモデルを発表した後少し冷却期間を置いて第四稿に着手。側面の縦方向の寸法チェックを中心に 全てのエッチングパターンの位置を更に徹底して改訂。今度はかなり良い感じの図面が仕上がりました。ただ気になるポイントは側面縦方向に入るバンドの位置。1mm以内の誤差までに追い込んではいましたがこの最後の部分 が真横からの写真が無い限り100%解明する事は不可能になってしまいました。この時点で2000年の暮れも押し詰まっていました。ここで「製作裏話」でも書いた仙台の方より写真をご好意により入手する事が出来た分けです。今年2月始めに第五稿 を完成。これを入念にチェック。微妙な部分の仕上げを完全に行った後でやっと量産品の生産に掛かる事が可能となりました。その四角い車体の一見単純なプロトタイプ、模型ですが私達は今までに例が無い程の量のニュアンスを その中に込めました。そしてそのニュアンスを消さない様塗装の質感にも相当気を遣いました。良く雑誌等では「例によってディテールごってり」的にしか書いて貰えませんが実際はその遥か先まで今の模型は進化して来ているのです 真にムサシノモデル、こだわりの一品と申せましょう。
PS) 最後の最後のダメ押し的な好運がありました(5月末の事)ED17-28号機の鮮明な写真をやはり仙台所在のまったく面識の無い方よりそれも突然お送り頂きました。メーカーズプレートは多くの 写真では明確に確認する事が出来ず文献通り[日立改造]でエッチングパーツの銘板を完成されていましたがこの写真により[東芝車輌]であることが判明。最後の土壇場でより正確を期する事が出来ました。 皆様のお力添えには本当に深く深く感謝する次第です。