第18話 弱小個人営業模型店はつらいよ 2023.7.13
此処のところ政府日銀の相変わらずの逆噴射で円相場がた落ち、暗い日々を送っています。最近、円がウォンに対していきなり10%切り下がりメーカーのATM社共々顔が青くなりました。EF62の価格を発表価格で維持できるかどうか円相場の動きをかたずをのんで見守っている状況です。当店の製品はプロデュース期間が異様に長く例えば今回発売しましたワフ21000/22000にしましても3年かけてやっとこさひねり出したようなもの、物好きでやっているようなものでこれではとてもご飯は食べられません(パトロンは残念ながらいません)。最後の最後に儲けが余りにも少ないので少し価格を上げさせて貰いました、¥126.000。多くの模型ファンの方たちにお買い上げ頂こうと何時も奮戦しています。因みに他社のOJワフの価格を調べて見たところI社が1999年発売と24年前で¥98.000。K社が15~6年前の発売で¥100.000弱でした。ネ、今回のワフが手間暇時間を掛けた割に如何に儲からないかが良く判る数字です。円の価値下落、世界の物価上昇を考えると超バーゲンプライスです。大分以前の2009年にアートホビーでC57を製作中の事、アジン精巧社 趙 社長に1990年頃アジン精巧でFEF社向けに製作したD51の船積み価格を教えてもらったことが有ります。ムサシノモデルが設定したC57の小売価格¥610.000に対してその20年ほど前、真にバブルの頃発売されたFEF社のD51の船積み価格はC57の半分の値段でした。流石バブル時代は凄いなと思いました。例えてC57に¥1.200.000の小売価格を付けるようなものです。でも¥610.000のC57は高い高いと随分言われました。C59は原価がアップしたにもかかわらず¥620.000で価格設定しました。そしてC62です。全ての物の価格が既にC59の頃とは様変わりしていました。C62はプロデュースに5年かけています。アートホビーズには京都。大阪と2度に渡り取材で訪日してもらっています。図面、資料、写真と集められるものすべて集め膨大な資料群を精査、検討の上部品の作図、考証等などを行い何年もかけて作り上げた作品です。しかし折角良いものを作っても買ってもらわなければ何の意味も有りません。また直前にS社で60万円台後半にてC62が発売されています。本来価格設定をかなり抑えたC59と同じ形で小売価格を設定するとC62は¥840.000になります。しかしこれではお客様に買って頂くのは難しいと大分悩んだ末に¥720.000と云う価格を導き出しました。これ他社のC62の100倍以上のプロデュース時間を掛け、メーカーのアートホビーズもその5~6倍の製作時間をかけて作り上げたものです。でもこれも高いとクレームを随分もらいました。模型製作者のお給料が10数万ならOKです。でも世の中そういう訳にはまいりませんがそこの処のご理解をしていただくのは至難の技です。因みにその後C11の価格発表を行った後C62が¥720.000なのにC11が¥600.000近くもするのは納得できないという人もいました。模型だけにさにあらず、物作りに対する必要な物の価格、人の手間、下請けへの支払い、会社工場を経営していく上での諸々掛かる必要経費(光熱費、人件費、保険代等)メーカー側でもお金だけでやっていける仕事ではないのです。そこには情熱というものが大きくかかわって来ます。

