第17話 NC盤を使って出来る事
先日ご紹介したEF62ですがATM社では屋上の実機におけるFRP製モニターの形状を正確に再現する為にプレスによる絞りではなくアルミをNC盤による切削加工をおこない製作しました。真鍮では重くなりすぎ裏側も削り込む必要が有りコストが大きく上昇するので軽量のアルミの無垢材を切削したとの話です。そこから話は35年前に戻ります。当時お客様より米原のEF58を製作したいとの事で車体の基礎的な組み立て加工のみで5輌注文を請ける事になりました。サンゴさんのキットを加工するよう指定されましたがその要求はEF58のフロントフェイスの縦横に入る稜線を隅柱部分に至るまでシャープに削り出すというものでした。サンゴさんのお面の研ぎ出しを始めましたがこれはカット面がカミソリの様に薄く加工中に研ぎ出しに耐えられない事が分かって来ました。又ある程度まで研ぎ出しを行ってくると失礼ながら五八の顔に全く似ていない事が露わになり加工続行中止となりました。そこでひかり模型さんと天賞堂さんのキットを比べどちらか良い方を選び一から加工することになりました。結果天賞堂さんのキットを加工することに決定しました。理由はお面の板厚が厚く加工に耐えられる事とやはり顔が一番似ているという結論にいたったからです。この時は3社のキットの各パーツ類を全部チェックしましたが一番驚いたのは皆寸法が違い特に屋上モニターの寸法等大きく皆バラバラな事で?でした。そして苦労の末、十字の稜線に隅柱そして平面まで元のプレス面を残さず研ぎ終わったお面を車体に取り付け乗務員ドアー、側面ベンチレータやモニター、ランニングボード等大体の組み付けが大体終わったところ、たまたま所要で来訪して見えたのが当時のプレスアイゼンバーンの松本謙一氏でした。当時1/87 12mmでEF58の製作発売に意欲を燃やしていた時でした。そうです、まだ皆凄く若かったのです。松謙さんに出来上がった5輌分のゴハチの車体を見て貰いました。そしてこの事がきっかけとなりゴハチのお顔は研がないといけないとなりプレスアイゼンバーンのEF58のお面はフクシマさんで研ぎ出し仕上げをされることになりました。その後天賞堂さんでも、ピノチオさんでも。しかし僅か数輌分を細心の注意を払って研ぎだすならまだしも、数百輌分の量産品のお面を研ぎだすのでは精度、均一性の問題で満足な品質管理が完全には行えません。ムサシノモデルではこの問題が解決しない限りEF58 プロジェクトに手を付ける事は出来ませんでした。解決方法をじっと待っていました。10数年前に先進社でOJ EF66を製作した時オデコと前面腰板部をミーリングで削り出して作りましたが1つ削り出すのに気が遠くなるような時間が掛かってこの手は使えないと思いました。その後ATM社朴社長にも色々と研究して貰っていました。そして先日出来上がってきたEF62の実機FRP製モニターです。これはと早速製法をATM社に問い合わせたところ3D-CADによるNC盤加工で有るとの返事です。当然真鍮加工も出来ると云う事で、それではゴハチのお面をこの製法で削り出し可能かと問うた処可能ですと。その時、瞬間的にEF58のプロジェクトはスタートしたと同じでした。頭の中で考えたことは3D-CADにより4種類程お面を作り分けると云う事。隅柱は大理石の柱のR面の様な仕上げでその傾斜面との境には前面からのエッジラインが綺麗に回り込んでくる。想像しただけでも良い気持ちになって来ます。大変ですが。EF58-61号機だけでも時代により何種類か作り分ける、高二タイプや下関、米原タイプ等と膨らむ夢想もここまでで止めておきます。進展が有るようでしたらその時はハッキリと告知させていただきます。

