第13話 OJ製品開発の難しさ 2017.7.7
現在ムサシノモデルではOJでC11,ED19を製作しています。ED19は号機別の図面の終了後ロストワックスの原型の修正、エッチングパターンの修正等全て終わり台車から組み立てに入っています。ワイヤーカット加工で切り抜かれた台車フレームは更にロストワックス部品やパイピング、ボルト植込みの穴あけ加工も完了、各部品の半田付けが始まっています。REALTECK金社長は砂箱の蓋のヒンジの形状と微妙なバランスが気に入らず砂箱の原型を全て自分で図面を書き直し作り直してしまいました。砂箱は号機で幾つかの形状の違いがあり全て作り直すと相当なコストが掛かります。ED19の床板下面にはトリプルエッチングでリベット等のディテールの表現がなされています。屋上ディテールに関しては以前製作したEF57同様号機ごとに徹底した考証を行いましたので今までになく正確なディテールが再現出来ています。懸案の6号機車体側面のウェスチングハウスオリジナルのベンチレータはプレス加工により実物同様の形状を再現致します。ED19と同じ頃に発売される予定でARTHOBBIESにて進行中のワ10000/12000の中から浜松工場配給代用車のワ12480と組み合わせることで飯田線の小貨物列車の再現に一層いろどりを添えてくれることになります。さて、このED19に洋白タイヤを使いより牽引力を増すことを考え材料費を調べました。韓国では洋白材は手に入れることが出来ないので日本で調達して航空便で送る事になります。EF57,8850も同じようにしましたが、OJ,ED19では材料代276000円、航空運賃200000円になりました。合計金額450000円を超えてしまいます。ただでさえOJは薄利少売で資金を長い期間寝かせ途轍もなくリスクが大きく、しかも小売価格を抑え込んだバーゲンプライスで値付けしているので残念ながら洋白タイヤは諦めることと致しました。真鍮製鉄道模型はよく言うところの滅びゆく伝統工芸です。この点はハッキリして言えます。それ故に今、毎回これが最後と思い最善のやり方で製品創りをしていますが今回はコスト上昇に負けてしまいました。しかし最近はこの様な事が多くなっています。もっともプラ製も青息吐息の様子でプロトタイプの選定も大分難しくなっています。話が脱線したのでOJの事に戻しますがC11は発売が1年以上遅れます。資金投入から発売までまる3年、こうなると殆ど博打を打っている様なもので全くの処、余程の物好きでしか出来ないのがOJの蒸気機関車モデルです。先に発売したC62等商売的には完全な失敗作でした。5年間多くの時間を費やしプロデュースを行い、莫大な経費を掛けたそれら諸々経費はまったく小売価格には上乗せしていません。いや出来ないと言うのが本当の処で然もC59と比べて利益率は極端に悪い。なぜかというとC62は余りにも手をかけすぎてしまい小売価格850000円(C59と同じ計算方法で。でもC59もバーゲンプライス)では売る事も買う事も難しいという事での苦渋の決断でした。当店のOJ蒸気機関車モデルもC11が最後になるかもしれません。相当悩むところですがC55は余りにも高い山に見えます。

