ひょうたんから駒と云う言葉が有りますがさしずめOJ C56はこれに当たるのではないかと思われます。以前も書いたようにアメリカ型Oゲージを見てC56が頭に思い浮かんだのは確かだったのですが16番、HOn3 1/2ならともかく敵はOJです。ムサシノモデル初めての国鉄制式蒸気機関車モデルがOJのC56ですから普通じゃあないです。C62の2号機だぁーと商売的には売れ線を並べ立てるのなら正攻法というものですが。今から30年程前本格的なイコライザーシステムを組み込んだ世界で初めての量産品モデルOn3 D&RGW K-27(PFM社)の生産に携わっておりC56、C12、B6と云うラインナップはそのルーツにK-27の影響が有るのではとの思いもあります。8100の北海道での晩年炭鉱鉄道での活躍の姿などもOJで再現出来たら本望なのかもしれません。最近もありましたがHOn3 1/2、 12mmファンがやって来てしたり顔で、やれ狭軌感がどうのこうの、ファインスケールがどうのこうの、俺は偉いのだと云わんばかりにのたまわれても鼻白んでしまうのです。まずOJに歩を進めたのもそのような事も関係あるのかもしれません(最もDD51、DF50のHOn3 1/2 12mmゲージでの製品化は亜進精工社との間で合意済です)。
今回C56を企画制作してみてOJモデルの難しさをつくづく感じています。アートホビー社のデザイナーはC56の図面製作に4ヶ月を要しております。そして例えばC56では450点ものロストワックスの原型を最高品質で(つまり原型代が非常に高い)製作しました。単純に1個1万円計算でも450万円です。又初めの予想と比べても製作日数で恐らく4ヶ月~5ヶ月は余計に時間を費やしています。メーカーのアートホビー社が利益を出しているとはちょっと信じ難いところです。日本でC56を同レベルで製作したとすると80万以上になります。つまり倍の価格なのです。メーカーも利益が出なければご飯が食べられない訳で私共がこれからの企画を実現する事は不可能になります。この為、当店としてはメーカーの存続とお客様にいかに良質で安価な製品を提供していくかという大変難しい舵取りをして行かなければなりません。16番でも同様、EF66、DF50、EF53とC56とまったく同じ状況にあります。将来的には真鍮モデルメーカーは消えてなくなる運命にある訳ですが、それまでにより良い真鍮製模型をどれだけ残して行けるのかとの思いにかられながら仕事を日々こなしている状況です。そして真鍮模型の新製品の発売がまったくなくなった時、インジェクション・モデルも発売が困難になるのは間違いないでしょう。真鍮モデルとインジェクション・モデルは車輪の両輪なのですから。

