EF62進捗状況のご報告



EF62はやはり手ごわい相手でした、と云えますがEF81の時もそうでしたが今、真鍮製品として電気機関車のモデルを全く新しく作る難しさは皆さまの想像を絶したものが有ります。創意工夫が無いと殲滅自滅玉砕です。安いプラ製品、いや大量生産品としては安くないか、そして中古市場でも今まで作られてきた多くの製品が昔買えなかった敵をここで取ってやろうと、てな感じで。又真鍮製品でも売り出されてからそれほど時間の経ってないものも有ります。そんな中、今までさんざん繰り返し発売されてきた機種を作るわけですから一つ間違えると火中の栗を拾うことになりかねません。ムサシノモデルも今年で55年目を迎えました。その間模型メーカーの栄枯盛衰を直ぐ真近で見てきました。トビーさん、鉄道模型社さん、つぼみ堂さん、しなのマイクロ若林さん、ピノチオさん、水野さん、ニワさん、そしてカワイさん。これらはごく一部ですが皆親しくお付き合いさせて頂いた懐かしい名前、人々です。ムサシノモデルは彼らに繋がっているのですよ。この業界(メーカー以外ですよ)にいても、ぽんと入って物作りのなにも知らない人達には解からない感情です。高い高いというのは安易なポピュリズムです。と能書き、年寄りの繰り言はこの辺にいたしまして。

EF62前期型も塗装がほぼ終了、この後レタリング作業そしてコーティング作業があります。屋上の塗り分け、艶具合の段階にも幾つか有ります。当店以外でここまでやっているところは有りません。密に連絡を取り合って間違いの無い様、私が頭の中で考え想像した通りになる様にもって行きますがATM社の朴社長はそれを先回りして全て完璧にこなしてしまいます。脱帽。車体側面右左各4つのベンチレータが等間隔で並んでいますが中央部だけ間隔が少し広くなっているのが見て取れます。

難しい車体側面ベンチレータの表現も良く決まっています。神経を使う難しい箇所です。

こちらは登場時のブドウ色2号グループ。昔、60年程前の丸正堂での出来事、父親の事が懐かしく思い出されます。

真ん中の段は横川の1号保存機バージョンです。形態が量産機とは別物です。

お召し機11号機のFRP製モニター。外周には装飾で白塗装。上に開いている4つの穴には黒く塗装された吊り金具が取り付けられます。この吊り金具は取り付け部が円形になっています。

1号機、登場時のモニター排風口を塗り分ける為のマスキングになります。
もう少しの辛抱です。ATMメンバーも必死で取り組んで貰っていますので宜しくお願い致します。

FIN