EF62価格に付いての現状。
 
前回EF62の売り方と価格の問題について説明を致しました。ただ、その時点でEF62の船積み価格はEF81と比べ約12パーセントの値上がりと云うもので今から2年ほど以前の話でした。EF62はEF81以上に製作組み立てが難しくコストアップは当然と考えていました。今回発売致しましたEF65一般色、特急色の価格設定は¥265,000に致しました。9年前の2014年EF65初発売時が¥245,000でしたのでその間の大きなコストアップを飲み込み小売価格の上昇を10パーセント以下に抑え込みました。自分たちの利益を大きく削った上での事です。今回の製品は完全特定ナンバーの製品ばかりでプロデュースから設計、製作と初回生産品と比べ物にならない程の時間と手間を要しています。製造原価は以前より20パーセント上昇しました。今、韓国と日本では製作コストはほぼ同じ水準になっています。今はお客様の要求に答えるべく最高品質の製品を作る為にATM社と協力して仕事をしています。ストレートに書くと国内生産で今回のEF65を同価格、同水準の製品を作ることが可能かどうか、それは200パーセント不可能です。他メーカーを引き合いに出して恐縮ですが2005年発売のI社の12mmのロクゴーが¥285,000、2008年発売のP社製品が¥398,000、T社HG製品が¥265,000(何れも本体価格)。¥398,000はどうかと思いますが他はこれが真っ当な価格です。ちなみに2013年発売の当店製EF510が¥268,000でした。
EF65の部品の発注は2020年の3月頃、ATM社により下請け部品業者に一気行われています。問題のEF62の部品の発注はまだこれから先のことになります。EF62は来年後半の発売を予定しているのでEF65の発売後にEF62の予約を始めるようATM社から要望が有り大体の小売価格を決める事になりました。そこで先日改めて船積み価格を提示してもらいましたが2年の間にコロナ禍、原油及び原材料費の価格の高騰、ウクライナ問題、そして円安と全てにおいて悪条件が重なったことによりEF62は製造原価が現時点においてEF81から25パーセント値上がりしました。EF81が利益の上では失敗作だったので頭を抱える事になりました。小売価格をどの程度に設定するか、このことは利益をどれだけ削るかと云う事になります。しかしこれが現実です。如何に折り合いをつけて行くかじっくりと考えて答えを出していかねばなりません。