2018.12.9


2018 韓国メーカー訪問記 その6
いつもの通り2カ月振りの韓国訪問の目的はリアルテック社におけるOJ ED19の最終チェックがメインの目的です。ATM社におけるEF65特急色以外のJR各社各タイプの最終チェックも40%程の数量をチェックする事ができました。


ATM
 まずEF65再々生産企画の第2グループとしてJR各社の特急塗色以外のバージョン全ての検査を各タイプ1輌ずつディテール、塗色、標記にミスがないか細かくチェックしていく事に致しました。その前にEF81の製作に取り掛かる準備として膨大なバリエーション展開された図面を1枚1枚当方で予めチェックした箇所の説明、又ATMサイドからの疑問、質問に答える事で各ポイントを修正の上、もう一度細部に至るまで完全に仕上がった最終全体図面を作らなければなりません。

EF81の図面の修正ポイントについてのディスカッション。

細部に至るまで相当細かい部分まで明確に決定していかなければなりません。少しの曖昧さも許されない大事な仕事です。

EF65各タイプ1輌1輌を細かく検査していきます。

細部に至るまで各タイプ作り分けを行っています。

タイプの種類が余りにも多く(プロデュースした本人が呆れてしまうほど)ヘトヘトになりました。



唯一塗装作業開始直前に2101号機は実機同様特急塗色に変更されました。





ATM朴社長。EF65の塗装中、4カ月程は塗装工場に朝から連日通い間違えがないか?付っきりだったそうです(他の会社の仕事が挟まれないように監視もしていました)。

ずらりと並べられたEF65。全てタイプが異なります。

完全な特定番号機仕様でディテールのみならず検査標記の記述、微妙な標記位置の違いまで完全に再現、作り分けを行っています。その為に膨大な時間がムサシノモデル、ATM共失われていきます。まさに滅び行く伝統工芸の世界。アナクロ二ズムの極致。大量生産のインジェクションモデルの真逆を行く非トレンドモデル。











何時も朗かなジョンシュク氏。

まだEF65の目が痛くなるような細かい作業が続いています。





この日も作業は夜遅くまで続けられました。




夜はここのところ良く行くサンギョクサルのお店での夕食となりました。

脂身が少ない美味しいお肉です。

 


Real Tech Models
2日目はいよいよ待望のOJ ED19の最終チェックです。

唯一ED19でPS14パンタグラフの2号機。将来のEF15の為に少量ながら鬼のようなPS14を作り上げました。




検品はスムーズに進み又食事の時間がやってきました。

最近韓国でも皆で鍋をつつくのではなく一人で気軽に食べられるという事で今度のような一人しゃぶしゃぶのようなお店が増えているそうです。野菜の入った一人分の鍋の下の黒いプレートはIHクッキングヒーターです。まさに純日本の味で最後にうどん、その後にご飯を入れおじやとなります。かなり美味でした。




検品の終わった1号機。



箕輪町での1号機の取材からもう3年以上の時間が経過しています。このED19は1年半遅れでの発売となります。インポーター、メーカー共に大型模型はリスクの大きい大変なストレスが掛かる仕事です。それでもやらなければならないという思いで立ち向かっていかなければこのような仕事は成り立ちません。写真は1号機。感慨深いものがあります。









私の要求で正面ナンバープレートの微妙な取付位置の調整を行ってもらっています。リアルテックの女性メンバーは全てプロ中のプロと云える凄腕揃いです。

 




リアルテック金社長。先月は疲労困憊で病院に行きリンゲルを2回打ったそうです。大体10時過ぎまで一人残り会社で仕事をしているそうです。連日ハードディズナイトです。

昨日は豚、今日は牛、それも和牛だそうです。

これも美味しかったですが私達は焼肉を食べにソウルに来てる訳ではありません。

 


ATM
3日目、1日でED19の検品が終わってしまったのでATMにてEF65の検品を出来上がっているものから行う事になりました。

EF65に使用する側面明かりとり窓用のアクリル製のはめ込むパーツ。このパーツを一つ一つ外して取り出していく作業がかなり大変な作業です。

 




お昼は又食事の時間になりました。ATM社から歩いて3分。初めて入ったカルコクスウのお店です。一般的な商店街にあるお店です。なんでも以前今の韓国の副大統領がよく食べにきたお店だそうです。

カルコクスウ、手打ちうどんという意味です。あさりが沢山入っているアッサリとした味で大変美味です。

午後からチェック再開。苦労した広島更新色。予約完売となっています。


 



3色更新色。





DD51ボンネットの部品をチェックしているところです。

キムカンテ氏にはパンタグラフの取付を行ってもらっています。


機関車上下の組み立てを行っている趙お兄さん。



細かい部品を取り付け中の趙弟さん。




又夜が来ていつものお魚のお店です。



喫茶店に移りあーでもないこーでもないと仕事の話が続いていきます。

 


アートホビーズ
最終日の午前中はホテルの喫茶コーナーで2時間程DD51の価格について突っ込んだシビアな話し合いとなりました。その事については又後で記したいと考えます。午後一でATMへ移動。EF65の検品を少し行った後に遠くへ工場を移したアートホビーズへ。遠くへ引っ越したので訪問するのが大変です。蹴とばせば海です。

最近毒気が抜けた?アートホビーズ崔社長。顔色もよくなりました。煙草のニオイもしません。

最終組立中のワ12000の下廻り。

ボディを被せれば完成です。

形式写真を彷彿とさせるプロポーション。緻密に仕上げられた模型です。

屋根はキャンパス張りを表現した少しザラリとした艶消し塗装です。



塗装の終わったワ12000の上回り車体。

同じくワム90000。

半田付け組立が終了したワム90000の下廻り。

同じくテム300の下廻り。模型だからここまで作る必要はない、走らせれば分からないという意見もありますし、実物通りに再現するとグロテスクで本物のように見えないという変な意見もあります。当店の考え方はアメリカ(アングロサクソンン)やドイツ(ゲルマン)の考え方と同じく徹底したリアリズムの追求にあります。
安く出来の良いインジェクションモデルが大量に市場に出回る今の時代、真鍮で模型を作るにはこのやり方でないと作る意味がありません。高いお金を出して中途半端なものを買う人はいません。今はそういう時代です。

塗装前のテム300のボディ。




今回の訪韓は大変充実した3泊4日でした。でも大変疲れました。


Fin