2016.10.24

スーパーOJクラシックシリーズ
国鉄 ED19 その2
ED19飯田線末期仕様による
1,2,3,4,6号機

2017年7月発売予定
本体予定価格460,000円

当店のOJシリーズ、現在製作中のC11を含め、国鉄制式蒸気機関車を連作中ですがそのシリーズ最初のC56やC12のようにOJスケールながら比較的扱い易く又魅力的なプロトタイプは無いものかと考えていました。そしてOJ量産製品としてここ10数年程、デッキ付の電気機関車の発売が全く無い事に気が付きました。ましてやデッキ付の電気機関車こそ蒸機同様このスケールで作る価値が最も発揮される分野です。実は2009年にED19 1号機の取材を箕輪町で行っていましたがこれは16番で製作する予定での事でした。昨年初めそのED19のデータを使ってOJスケールで製作しようという事になりました。<ED19その1>でも記した通り一部データの不足分を補う為又メーカーサイド リアルテック 金社長にも現車を直接見て観察して必要なデータを直接取ってもらおうと訪日してもらい2日間取材を行いました。その結果はまだサンプルモデルですが細部の一部作り込みを除き、全体のプロポーションはほぼ完璧と云って良い仕上がり具合となりました。この手の車輌をOJで製作する場合、OJならではの仕掛けを組み込む事は必須条件だと考えます。ワイヤーカットした台車フレームに埋め込みボルトを含めてディテール等を取り付けイコライザーはリーフスプリングやコイルスプリングも含め全て可動式としています。但し先台車に関しては軸重バランス上、より動輪に荷重を掛け牽引力を引き出す為にイコライザーを掛ける事はしていません。機関車本体はウエイトを積まない状態で程よい重量となっておりイコライジングを良く効かせた事によりかなり強力な牽引力があります。価格上昇を防ぐ為と飯田線における実機の走行を再現する為低速運転再現性を重視、両軸コアレスモーターからフライホイールを介しギヤーボックスを可動させる一般的な方式としています。ギヤーボックスはフライス加工削り出し、ウォームを使用しない方式で材質は全て金属製(鉄と真鍮の組み合わせ)となりコースティングドライブとなっています。パンタグラフはフレーム部にステンレス製を使用。かなりしっかりした出来でその気になれば架線集電に十分耐える強度を備えています。
 価格は税別460,000円を予定しています。2005年発売のC56が税込400,000円以下で価格設定をしたいという事で税込価格399,000円という値段で大変好評を頂きました。ムサシノモデルでは常に品質と価格のバランスを考え価格設定をしてまいりました。現在の考えでこのED19は十分価格以上の品質を有すると考えます。蒸気機関車のシリーズが最初のC56から発展してC62に至ったようにこのED19を起点としてEF15(これは直ぐやる予定),EF58までを視野に入れてもう一つのOJシリーズとして発展させていきます。ご期待下さい。

実機を見まごうばかりのプロポーション。車体表現としてダブルエッチングを中心に一部プレスリベット、ベンチレーターや窓の縁は別パーツを半田付け。実機通りの程よい凹凸感を再現しています。尚このサンプルからさらに80項目の改良点が有り量産品では圧倒的なクォリティで再現される事となります。

上回りと台車の隙間の空間に如何に実感味を持たせるかがOJでも16番でも当店が拘るポイントです。飯田線は築堤が多い路線ですが、ED19を逆光でシルエットを浮かび上がらせ撮影された写真が多く発表されており一様にノルタルジーを感じさせてくれるものです。当店の製品は正確な作り込みで定評を頂いておりますが正確に作り込む事により模型の上でもノスタルジーを感じて頂きたいとするものです。











十二分に腰の座ったED19のスタイルを始めて模型の上で再現致しました。



デッキやエンドビームの入り組んだ複雑なディテール表現もすっきりと仕上がっています。

ウェスチングハウス~ボールドウィンというアメリカの鉄道車輌メーカーの特徴を端的に表すのがこの前面形状です。大屋根、小屋根のR、微妙な隅柱のR、柔らかく張り出した庇形状。延べ4日に及ぶ現地検分の結果です。

本製品ではディテールとしてのダミーモーターが再現されパイピングも拠り忠実に作り替える事となります。床板下側にもディテールパターンが追加されます。

二つの動輪はイコライザーで結ばれ担いバネも可動します。かなりの粘着性能があります。



イコライザー終端の吊リンクと台車フレームとの間に入るコイルスプリングも実物同様可動するように再現致しました。

ベンチレーター廻りの枠、窓廻りの枠は共に別パーツの半田付け表現となります。























OJスケールでこの手の旧型電気機関車を再現する場合、この狭軌感のフィーリングが最も生きるものです。大スケールの特権と云えましょう。































正面から見たED19。デッキ幅がスケール通りなのはもちろん当たり前の事ですがそれ以上にこの模型では凄い実在感が表現されています。







デッキ廻りのディテールも手摺りの形状も含め申し分ないものです。















屋上取り外し屋根のボルト表現などOJならではの立体感。ランニングボードは量産品では3分割となり木の質感を表したものに変更されます。







パンタグラフは100枚以上あるPS15の実物図面を基にスケールダウンされています。
イコライザーの効きも万全で船の部分も一切微動だしない出来栄えにより絶縁が上手くいけば十分架線集電を行う事が可能です。フレーム部は全てステンレス線を採用しています。



2エンド側キャブ

1エンド側キャブ、共に良く作り込まれています。

先台車も忠実に再現されています。



ブレーキシステムも精巧に再現しています。




16番燕堂製ED19 1号機と並べてOJの大きさを理解頂けると考えます。



ワフを従えた1~4輌5輌の小貨物編成のバランスが最高なED19です。

最少通過半径は約1m程になります。これ以上無い最高品質の製品ですがOJ入門には持って来いの形式がED19です。





当店旧型電気機関車シリーズ、ED16,EF15と進めてまいります。