特集5 DD51の角度(チェックポイント講座)

16番DD51の発売、8月後半の予定でしたが、より慎重に作業を進めている為、9月半ばにずれ込んでしまいます。大変申し訳ございません。下廻りはモーターの組み込みも終わり、全て終了しており現在上廻りの最終アセンブリ中です。写真は鳥栖のDD51量産BODYです。

ボンネット形状、キャブの形状等、プロポーションはピカ一です。
これ以上のものは現在ありません。

OJ同様に屋根は着脱式となります。

手摺りもOJ同様、ステンレス線をレーザー溶接。強度、シャープさ共に抜群の仕上がりです。

DD51のキャブの美しさは万全に再現されています。このタイプはSG室窓が大きいのが特徴です。

当店のDD51模型化遍歴もDD51 1号機の1999年秋の取材開始より既に12年となります。この間数々の実機取材、図面考証、特定番号機それぞれの特徴の割り出し、後年に改造を行なったディテールの変更点の考証等、DD51に関しては徹底的に勉強してまいりました。1号機 3Versionの発売。745、842、北斗星色、山陰タイプetc16番モデルの発売。そして今年に入り念願のOJモデルの発売も終了し16番モデルの改良再生産全30Versionに及ぶ展開と相成っております。来年後半には4~53、501~の初期車、つい先日磐越西線で活躍したナンバー。JR東の847、888の製作を予定しております。

この辺りで当店のDD51製作上のコンセプトを取材写真を交えて解説してみましょう。当店製品は実際に機関区へ足を運びその機関車と直に相対した時の印象をそのまま模型化しております。ホーム上で見たり、走行中のものではなく機関区で佇んでいるDD51を同じ平面に立って少し離れて全体を見た時の印象、近くに寄って見上げた時の印象等々、目線レベルで見た時の印象を大事に製品化しております。車体と台車の間に見えるもの、床板パイピングやコックのディテール等々、今そこで実機を見るが如く再現していくのが当店流のやり方です。ですから数多くのディテールパーツは目立たず全体の中に自然に溶け込んで見えます。

DD51を機関庫で直に見るとこんな感じです。

写真で見てお分かりのようにDD51はエンドビーム形状、手摺りの形状が正確に再現されていないとその段階でペケです。手摺りの間隔、曲げ角度とRの再現は重要です。当店の製品はこの通り再現されています。

これがDD51を真正面から見た時の印象です。皆さんも色々とチェックしてみて下さい。

実に力強い面構え。それがDD51です。

DD51のファングリルの大きさに注目して下さい。その大きさを正確に再現しているのが当店の模型です。

ファングリルの大きさとその廻りのスペースをよくチェックして下さい。この大きさは1号機から1805号機まで変化はありません。

DD51のもう一つの顔の重要ポイント。キャブ前面。この表現が上手くいかないとペケになります。排気管そのスペース、ボンネットとのスペース、窓上面から屋根までのスペース全て非常に重要なスペックとなります。窓の外側は少し下に向かって傾斜しています。
下の写真を良く見て頭に入れておいて下さい。

上の842号機の写真でキャブ屋根の雨樋の付いている位置に注目して下さい。キャブ側面より出っ張って付いているのが良く分かります。

キャブ屋根のディテール。扇風機カバーとSGエキゾーストの写真です。エキゾーストがかなり平べったいのが良く分かります。

上の写真で雨樋の取付位置が良く理解できると思います。

745のラジエーター。ここまで寄った写真です。

745のスノウプロウとステップ、温風暖房器からの配管。ステップの奥に見える暖房管コック。各ディーテールが良く分かります。

DD51の重厚な下廻りの表現は大変重要なポイントです。
フレーム外側のパイピングは上廻りとの対比で特に力を入れなければいけない部分でした。徹底的に作り込んだ模型は当店製品が始めてです。もう一つ、燃料タンクも大変重要なディテールです。
各号機の燃料タンク下端がレールぎりぎりまでの位置にあるのが理解頂けると思います。下の1号機の写真で見ると砂箱下端よりかなり下にあるのが分かります。

745の全景写真です。キャブ屋根のひさし部分の長さは大変重要です。又側窓の大きさも同様に重要なのは述べるまでもありません。

但し模型の場合は部品割りの関係上、強度的な問題で窓の上の部分にスペースをある程度残さないといけません。実物通りに作ってしまうと窓の上の部分のスペースがほとんど無い為、その部分がくっちょん、くっちょんになってしまいます。その辺りのさじ加減、アレンジが必要な訳です。

DD51のひさしの部分の出っ張り具合に注目して下さい。

美しいDD51のキャブ。キャブ側窓は引き戸表現がされていないと日本のボンネット型ディーゼル機関車のキャブの印象が大きくスポイルされてしまいます。この部分は絶対的に一歩も引けません。

キャブ前、ボンネット側面に位置するベンチレーターはその取り付けポジションが白線の位置を決定する為、非常に重要です。この白線はキャブ側面まで廻り込みます。ここではキャブ側窓、手摺りのバランス上、やはりこの位置関係が重要となります。ボンネット断面が正確に再現されてないとこのバランスが著しく崩れます。上写真のA寸法とB寸法のバランスを良くチェックして頭に入れて下さい。

以上DD51チェックポイント講座を終了致します。