ラインナップ NO.12                                  2009.10.2
スーパークラシックOJシリーズ

国鉄貨車シリーズ
国鉄 ワム80000

只今発売中



 ムサシノモデル OJ スーパークラシック シリーズ 国鉄ワム80000。当店OJシリーズの中でご好評頂いている国鉄の貨車シリーズ。OJの貨車は数が売れない上、16番のモデルと比べて途方もなく手間とコストが掛かり利益も少なく今では当店の専売特許になってきた感有り。一つの形式でいくつかのバリエーション展開が無い限りOJの貨車は製品化出来ない(売れない)のであります。この影響をもろに被ったのがワラ1型です。バリエーション展開が出来ず、おまけに一見ワム60000とそっくりさん(実は共通パーツ無し、ワラは一回り大きい)である為注文もほとんど無くあえなく中止とせざるを得ませんでした。そこでワム80000に白羽の矢が立った訳です。ワム80000はバリエーションが多くOJでの模型化に最適です。ワム90000、ワム70000、ワム60000と来てワム80000ですから後で考えると順当なところなのですがこれら4形式にワラ1を加えた計7〜8輌の貨物列車をC12やC56(2412でも良し)又はED19(が有れば)当りに牽かせて見たいですね。



ワム80000は1960年から1981年に掛けて20年間に渡り約27,000輌が製作され続けた国鉄の15t積2軸有蓋車の最後の形式。1962年製造初年の国鉄最後の有蓋車ワラ1は新車輌限界の適用で17t積車となっている。模型制作上分かり易くタイプ分けすると以下のようになります。



Type0 ワム80000〜80004試作車 5輌 1960年
最初側ブレーキは片側車体中央寄りに取り付け。後標準化改造
(内部を3区画に分けた仕切りは固定式パネル)



<ノーマルタイプ量産車>

Type1a
80100〜81099 1000輌 1960年
仕切はパネル下部を1/3開けた固定式に変更。片側ブレーキは標準位置。
Type1b 81100〜81999  900輌 1961年
仕切板を3分割、着脱式とする。
Type1c 82000〜82399 400輌 1964〜65年
同上
Type1d 82400〜82899 500輌
仕切板が重いので6本の着脱パイプとする。
以上のワム80000はワム70000同様三角屋根で7つのリブが溶接されている。尚
Type1a,1b,1cはドア戸車の点検口が内側に有る。Type1dでは利便性を考え表側とした。この為ドアのリブは元々ドアのセンターにあったものが長さはそのままで43mm上方へ移動した。外観上かもいとドアリブの間のスペースが狭くなる。以下この形で定着する。Type1a〜1d共登場時の片側ブレーキを1968年頃より両側ブレーキに改造。ステップも大型化されている。札差の位置も後に変更されているが全てではない模様。オリジナルは札差(上)、検査標記(下)。変更後は逆となる。下廻り台枠では中梁(センターフレーム)が全てハット型となっている。



<ノーマルタイプ改良型量産車>

Type2a 83000〜86063,86070〜87999 4994輌 1968年
Type2b 88000〜88299 300輌 1968年 
Type2c 88300〜88999、18000〜185987 6688輌 1968〜69年
Type2d 185988〜187676 1689輌 1969年
Type2e 187677〜188306 630輌 1970年

Type2f 188307〜188801 495輌 1970年

Type2g 188802〜188806 側柱なし車 5輌 1971年

これらのワム80000はヨンサントウにおける旧型貨車の置換え増備車。外観上の大きな違いは屋根がプレス構造となりリブの数が7本から16本へ増えた。側ブレーキが両側式となった。屋内では天井板が廃止されている。
Type2e、2fでは仕切棒を下1/3の部分にも差し込めるように穴を4個増設した。Type2fから引戸錠が改良型となる。




<走行安定対策車>
Type3a 280000〜283999  4000輌 1975〜76年
Type3b 284000〜284989  990輌 1968年 
Type3c 284990〜288499  10輌 1968〜69年
Type3d 285000〜288499 3500輌 1980〜81年


走行安定対策車と呼ばれるグループ。大幅な設計変更により番号を280000番代とする。模型としての外観上の大きな違いは下廻りで軸距を260mm延長し5300mmとした他、フレーム形状が大きく変更され、中梁を強化する為溝型鋼への変更など、全体としてまったくの別形態となった。縦雨樋を妻面に新設した。屋根はミルクティーのような薄茶6号色となる。
Type3dでは引戸錠を強化改良したものとなった。



<保守向上車>
Type4 380000〜380499  500輌 1992〜94年改造
28000番代車の軸箱を平軸受からコロ軸受へ改造。保守の向上を図った。塗色は屋根も含めファーストブルーとなっている。



<物資別適合車>
TYPE5 
580000〜580023 Type1bよりの改造車
      580024〜580029 Type2と同形態の新造車
 
この他に物資別適合車と呼ばれるグループがワム80000にはあります。板ガラス、オートバイ、ビール等を運ぶ専用車輌です。鮮魚輸送車には初期車よりの改造車580000〜580023、Type2グループの新造車580024〜580029が有り白塗装で異彩を放っていた。外観上は塗色以外床中央部に排水管を持つ。側ブレーキは両サイド設置改造スタイル。



以上の中より整理して以下のバリエーションでワム80000をOJにて製品化致します。
Type1a 80100〜81099 
屋根には7つのリブが溶接されている。側ブレーキ両サイド設置改造タイプ、固定仕切タイプ

Type1b 81100〜82399
屋根形状はType1aと同じ。側ブレーキ両サイド設置改造タイプ、仕切板3分割着脱タイプ 

Type2a 83000〜86063、
       86070〜87999 88000〜88999

以下のTypeは屋根がプレス構造となりリブは16本。仕切6本のパイプ着脱式。それまではドアリブが高さ方向でドアの中央部に位置していました。このタイプからドア戸車の点検口が表側となったのでドアリブは上方に43mm移動した。ドアリブが短くなったというのは間違いです。

Type2b 180000〜187676
仕切はType2aと同じ。Type3、4と同じくセンタードアのリブの並びが一本分不揃いとなる。


Type3 280000〜288499
軸距が260mm延長され5300mmとなる。下廻りフレーム形状はType1、2とはまったくの別形態となっている。縦雨樋を妻面に新設。仕切棒を下1/3にも差し込めるように穴を4個増設。屋根は薄茶6号。

Type4 380000〜380499
Type3をコロ軸受け改造。塗色はファーストブルー。

Type5 580000〜580023
鮮魚輸送車、実車はType1bからの改造。床下中央部に排水パイプが付く。塗色は白。足踏みブレーキは片側のみ。

以上の7Typeで製品化致します。例えばType1と2では屋根の形状の違いはもちろん、側ドアのリブの位置の差異により印象が大きく変わります。Type3、4、5では塗色の違いや細部ディテールの差異が興味を呼ぶところです。ご期待下さい。