ラインナップ NO.10                                                 2009.9.20
スーパーOJ クラシック シリーズ第12弾

国鉄C59(4バージョン)
C59 1号機 戦前型(熊本)
C59 164号機 戦後型(糸崎)
C59 戦後型(川車製) 東海道タイプ
    (宮原、梅小路、名古屋)
C60 C59戦前型改造(盛岡、青森)

予価 ¥640,500(税込価格)
2010年5月発売予定
 

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 C57 1次型のサンプル完成後(2007年2月)更なる図面への手入れ、疑問点の解明等、C57の量産への体制を整えつつあった中C59のプロディースも平行して行なわれていました。最初C571次型の後C55を製作する予定でプロディースを行い資料、図面、実車取材を既に済ませていましたが同じ系統の形式を2つ続けて製作するのも工夫も無く又結構しんどいのではと云う事で、では次のプロトタイプ選びは何にすべきかと・・・・・。万能中型機C58、C57と比べて一回り以上短くの形式。小型D51と呼べるフロントフェイスの引き締まった表情等、OJでなければとても再現は難しいものです。個人的にはもちろん大好きな形式、どんなバージョン展開をするべきかはC12製作中に大体決定していましたが大きさの割りに手間はC57と何ら変わらず、今の段階では価格の面で少し厳しいとの事でこれも先延ばし。C61、どう考えても順番が逆。C57、D51を製作した後でないとコスト面と生産数の面で大変難しいカマ。でも将来はC57 4次型まで生産して是非並べてみたいカマ。という訳でC59。C57の次はこれしかないという選択肢。C59こそOJで製作しない限りその魅力は絶対表現出来ない常々考えておりましたが国鉄制式機中模型化の最も難しいカマ。洗練された美しさと力強さを共に損なう事なく表現しなければなりません。さすがに今回は相当の覚悟が必要でしたがドンキ・ホーテ宜しく突撃する事と致しました。C59は真に通好みの蒸気機関車。ムサシノモデルの本当の実力が試される怖い存在です。C53の後継機として東海道、山陽の2大幹線に君臨した大型パシフィックのC59。日本の近代型蒸機として性能、形態共最も完成された存在と云えます。程良く太く長いボイラーを有し特に第3動輪から後部フレーム、従台車、キャブに掛けてしなやかに伸びたスタイリッシュなスタイルのカッコ良さ、そのスケール感はは日本蒸気機関車の中でもピカ一の存在です。又長いテンダーとの調和の取れた美しさの魅力。そしてそれ由これ程模型化の難しい機関車はないと言って間違いないでしょう。
さて、C59は戦前型(C59 1〜100)100輌と戦後型(C59 101〜132、156〜196)73輌に分けられます。戦前型は平底型テンダーですが台車はD51等と同型の板台枠のものと66号機以降鋳鋼台車(LT242)を履いたグループに分けられます。戦後型は船底テンダーにローラーベアリング入り鋳鋼台車(LT243)仕様になっています。これは今までの模型等でも一見認識できるポイントですが機関車本体にも相違点があります。最も大きなものは煙突とシリンダー中心の食い違いで戦前型で130mm、戦後型で120mmとなる。これに伴い第一動輪、先台車後部車輪間が1590mm、1600mm、先台車前部車輪、フロントビーム間が900mm、850となりランボードよりエプロンに掛けての角度が若干変更される事となります。又従台車も戦前型が一体鋳鋼製であるのに対して戦後型は板台枠組立となっている等の相違点があります。更にメーカーによりドームの形状に違いが見受けられる等、細かく追求していくととんでもない事になりそうです。更に今回はC60も製作する事になっており上記C59の特徴に加え2軸従台車ゆえの後部フレームの作り分け、初期と後期の改造による2軸従台車の違いまでありもう途方に暮れてしまいそうです。
 まず、いつものように実物資料の収集を開始、2006年広島での161号機の取材を皮切りに京都梅小路機関区では2007年10月、164号機をアートホビーメンバーと3日間通いつめて取材。門司での1号機の取材も2008年初めには終わらせました。さて次は何号機を製作するかと云ういつもの難題が待ち受けています。

 まずは呉線!昭和45年9月まで活躍した最後のC59トリオ。161号機、162号機、164号機の3輌の中より一つを選ぶ事としました。C62と共に急行”安芸”を牽引。いずれも戦後タイプで日立製。ドーム前後の傾斜が大きいのが特徴です。161号機、164号機は現車を取材していましたが広島工場にてキャブ側窓追加等の改造を行なった162号機は解体されて存在しておりません。OJ 1/45スケールでは現車を残っていないとその模型化が大変難しくなります。残された写真だけではOJでは完全な再現は難しいものがあります。実地取材をした161、164号機のどちらかを製作する事に致しました。両方共に製作したいところですがC59独特のキャブ前方の視界を確保の為、灌水清浄装置設置部分のランニングボードをそこだけ一段下げているのが断然魅力的な164号機を製作する事に決定致しました。162号機も同様の構造になっていますが本当のところこれも是非ともOJモデルで再現したいところです。尚テンダー上部前端は鷹取工場にてキャブ屋根との当たりを逃げて少しカットされています。162号機も同様ですが161号機は原型のまま一直線になっています。尚164号機は京都梅小路蒸気機関車館で大切に保存されています。

 戦後タイプはもう一つC62と共に東海道線電化まで特急”さくら”、”かもめ”を牽引していた全盛期のC59。京都山科の大築堤での写真が大変有名です。最も美しいと云われた川車製から選びましたが、こちらは完全な特定ナンバーではなく最も典型的なスタイルで製品化致します。ナンバーは梅小路機関区所属の109号機、126号機。宮原機関区所属の115号機、125号機。名古屋機関区所属の赤ナンバー110号機。ナンバー及び区名札はお客様がお好みのものを取り付けて頂きます。

 順番は逆になりますが戦前タイプからは
九州熊本時代の1号機を選びました。C59のトップナンバーは汽車会社製番2000という記念すべき機関車。新製配備は名古屋機関区、姫路第二機関区を経て昭和31年九州は門司港機関区に転属。九州での活躍を始めました。昭和33年10月の20系”あさかぜ”登場以降”さくら”、”はやぶさ”、”みずほ”とブルートレイン化した九州特急を牽引。昭和40年9月30日のSL牽引最後の”みずほ”を牽く等、最後まで活躍しました。翌月10月1日の熊本電化により廃車、現在は準鉄道記念物として九州鉄道記念館にて保存されています。
 
 もう一つの戦前タイプは東北で活躍したC59改めC60を製作致します。C59前期型より改造されたC60は1次改造車C60 1〜17、2次改造車C60 18−39に分類される。従台車が前者は鋳鋼製台枠(LT254)、後者は鋼板溶接組立(LT254A)と異なる。盛鉄局(盛岡、青森)の所属車は煙突両脇の小型デフが有名です。もう一つの特徴としてシールドビーム補助燈の取付が上げられます。特急”はくつる”、”はつかり”の盛岡〜青森間のC61本務機の前補機としての活躍が有名です。昭和43年10月(ヨンサントウ)ダイヤ改正で廃車。